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素材で愉しむリシャール・ミル

2019.10.24

「リシャール・ミルのイメージは?」

そう聞いたとき、多くの人が


「軽くて丈夫」


そう答える。

しかし、「なぜ軽くて丈夫なのか」を知らない人は多いはずだ。



なので今回は、リシャール・ミルの「軽くて丈夫」の理由の一つ、

【素材】について紹介していきたい。

【グレード5チタン】



「チタン」と聞くと、皆さんは何を想像するだろうか?




チタンとは、簡単に言うと《軽量で強度の高い非鉄金属》のことである。



一般的にチタンというと、「純チタン」と「チタン合金」の2種類に分けられるのだが、

時計に採用されるチタンは、後者の「チタン合金」だ。



リシャール・ミルの時計には、そのチタン合金の中でも、

高強度で耐食性に優れ、化学や機械工業・輸送機器などの構造材などにも用いられる【グレード5】のチタン合金を使用している。



チタン合金は、純チタンに比べ強度も高く、腐食やアレルギーにも強い性質を持っている。

しかし金属チタンを作るのには非常に手間やコストがかかり、素材の特性上、精密な表面仕上げを施すことが難しい。

だがリシャール・ミルは、この軽量で強度が高く、経年変化の少ないチタンをケース素材として採用。

膨大なコストと作業時間をかけ、他の金属と比べても同等以上の仕上げを施すことにより、

着け心地の良さや強靭性など徹底的に追及し、時代を先取りした時計作りを行っているのだ。

【カーボンTPT™】

リシャール・ミルの中でも特に人気の高い素材が、この「カーボンTPT™」だ。

2014年にRM011シリーズのケース素材として初採用されて以来、様々なモデルに取り入れられてきた。

この素材の特徴は、とにかく軽い。そして丈夫なのである。



しかし、この「カーボンTPT™」とはいったい何なのか。



この素材は、当初はレーシングヨットのマストのためにスイス・ローザンヌにあるNTPT社が開発した鍛造カーボン素材で、

軽量さや耐久性のバランスなどから、F1や航空産業でも需要を伸ばしていたものである。



この「カーボンTPT™」は、

カーボンファイバーから分離した繊維を並列に配した後、そこから約45度の角度をつけてカーボン繊維の横糸を織り込む。

これに樹脂を浸透させた1層の厚みは約30ミクロン(1ミクロン=1ミリの1000分の1)にも満たない。

この繊維層を重ねて、鍛造カーボンと同様に6バールの加圧と、約120℃の熱処理を加えたものが”カーボンTPT™”となるのだ。



これを時計のケースとして成型し、切削加工を施すと、カーボンの繊維層が表面に現れてくる。

ある程度の規則性を持ったカーボンが切削されることで、ダマスカス鋼(*木目状の模様を特徴とする鋼)に似た”目”が現れる。

これがこのカーボンTPT™という素材に独特の風合いを生み出している。

ランダムに層の模様が現れるため、一つとして同じ模様は無く、所有者にとっては全てがオンリー1となる特別感の高い素材である。




また従来の主要な複合素材に対し、非破壊率で約25%、微小亀裂の発生率ではなんと約200%優れた特性を示しており、堅牢さも十分に証明している。

【クォーツTPT™】

カーボンTPT™の基礎技術の応用として新たに開発されたのがこの「クォーツTPT™」である。



近年のリシャール・ミルは非常にカラフルなモデルも多く、それらはこの「クォーツTPT™」という素材の開発によって豊富なカラーバリエーションの製造が可能になったものだ。




クォーツTPT™は、カーボンTPT™に用いるカーボン繊維と同様に、

並列に配したクォーツファイバーに45度の角度をつけて横糸を織り込み、樹脂を浸透させたものを積層していく。



NTPT社はこの時、加圧焼成時のバインダーとなる樹脂に、紫外線にも劣化しにくい白いレジンをリシャール・ミルのために新規開発している。

クォーツTPT™が初採用された「RM27-02 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」の白いベゼルとケースバックが独特な白い色味を持つのはこのためである。

(余談だが、このレジンの色によって様々なカラーを出すことができる。)




この他にも、「RM35-02」で新規に開発され採用されたレッドクォーツTPT™や、「RM67-02」で採用されたグリーン&イエロークォーツTPT™など、

リシャール・ミルはNTPT社と共に、最新技術や素材を厳選し、常に時代の最先端をいく新たな新素材の開発に取り組んでいる。









これらの全ての素材は超難切削材であるばかりか、元々がF1や航空宇宙産業で使用されているような新素材であり、

素材を開発したエンジニアたちは、まさかそれがラグジュアリーウォッチのケース素材として使用されるなど夢にも思わなかっただろう。

こうした特殊素材は、加工方法自体が確立されていないものも多く、製造過程にはとてつもなく膨大な時間とコストがかかるのである。





しかしリシャール・ミルの腕時計は、

あくまで「コンセプトが部品や素材を決定する」のであり、その逆はリシャール・ミルにとってあり得ないことなのだ。






常に完璧さを追求した唯一無二の、究極の「エクストリームウォッチ」。



「軽くて丈夫」の裏側には、

数多くのスタッフや研究機関、サプライヤーたちの努力が詰まっているのである。


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