NX ONE 銀座で、いま話題の現代美術作品に出合う
NX ONEでは、腕時計だけでなくラグジュアリーでプレミアムなアイテムを厳選してご提案するセレクトショップとして、新たな取り組みを行っています。現在、NX ONE 銀座では今注目の現代美術家・鎌谷徹太郎氏の作品を展示販売しています。
現代美術家 鎌谷徹太郎が問う、過剰の中の本質の「美」の世界
情報過多の時代に生まれ、自ら考える力を失いつつあると言われる現代人。“過剰”が当たり前のなかで「人間関係の希薄化が起こり、個人が得た情報は定着する間も無く、前提条件の方が先に変わってしまう。昨日まで正しかった事象が今日には否定されてしまうような流動的な社会では、生み出される芸術もまた、流動的にならざるを得ない」――として警鐘を鳴らす人物がいる。いま世界を舞台に活躍する日本人現代美術家として注目を集める、鎌谷徹太郎氏である。
SNSが浸透し、メタバースというサイバー空間が出現、情報過多はますます加速している。そうしたカオティックな状況下で、我々はいかにして本質の「美」を見出すことができるのか。

鎌谷氏は、いわば逆説の中に答えを見出した。つまり「美」における“過剰”の表現である。我々が現在身を置く“過剰”の環境があるからこそ、そこから余分な水分と不純物を取り除いていった先には、とりわけ美しい宝石のような結晶が現れるはずと考えたのだ。

氏の作品は絵画にとどまらず、立体作品、インスタレーションにまで及ぶ。扱うモティーフも「芸術で表現される『美』とは何か?」という究極のテーマのもとに、超人類、生命技術、環境、人工美、ユートピア思想、増殖、さらには精神次元の風景までと実に多彩だ。そうした中で鎌谷氏が表現するのは、時に反復し、増殖しながらキャンバスを縦横無尽に埋め尽くすモチーフの横溢、つまり先述した「美」における“過剰”の表現に他ならない。用いられる鮮やかな色彩も相まって、鎌谷氏の作品は曼荼羅のごとく広大無辺な世界を我々の眼前に展開する。
UNTIL THE MOSS
FLOWER FORM HORSE – F0601
そうした中で「NX ONE 銀座」が注目した作品が『PROLIFERATION - LIPS』だ。145.5×145.5cmの大きなキャンバスに描かれたモチーフは、美の象徴としての「美しい女性」。作家はこの作品について、以下のように著述している。
創世記第4章1節
「そして、アダムは妻のエバを『知った』。やがてエバは子を身ごもった」 『知った』、或いは『知る』という古典ヘブライ語の単語は、アルファベット発音表記で、〝yada〞(ヤーダーと発音)です。聖書の各種翻訳では、〝know〞(「知る」)と翻訳している聖書もありますが、その単語を「性交する」、「交わる」、「交合する」と訳している場合が多いです。ヘブライ語本来の「性交」という行為には「知る」という相手の存在認識が伴う点で、非常に意義深いものとなっています。そして、美術史の中で女性を「知る」と言う行為は、様々な表現で作品に描かれてきました。ルノアールの裸婦画は、女体の神々しいまでの美しさを余す所無く表現。ギュスターヴ・クールベが描いた「世界の起源」や、葛飾北斎が描いた春画のような直接的な女性器の表現もあります。 また、アンディ・ウォーホルの「Marilyn Monroe’s Lips」やジョージア・オキーフの「黒いイリス」のように、唇や花を女性器のメタファー(暗喩)として表現された作品もあります。これら全ての作品は、女性の美しさを表現し、同時に女性を「知る」行為そのものなのです。 そして2020年のぼくは、女性器を表す唇と花を融合させて表現しました。花びらの1枚1枚が唇で構成された美しい花。その花が無数に画面全体を覆い尽くしています。ぼくは、この作品で「美しい女性」を描きたかったのです。そして、この作品から女性を「知る」事は出来るのでしょうか? ぼくはこの事に関心があります。」
緻密な筆致と色彩の横溢。そして作家の圧倒的な情熱を伝えるかのような生き生きと躍動する生命感。まさに“過剰”の表現中に閃き出た「美」が、そこにある。
Proliferation-Lip
NX ONE 銀座 / 売却済
現在、NX ONE 銀座では、「FROM FUTURE TO PAST」と題した”時間は未来から過去に向けて流れている”という時間をテーマとした作品を展示販売している。
FROM FUTURE TO PAST
この作品は、過去から未来へと時間が流れる過去原因説が現代において主流の考え方を、未来に起こるイメージが、現在の自分の行動を決めていて、過去に起こった事は、未来の自分の為の行動の結果であり、過去が未来に影響するのではなく、未来が過去に影響するという考え方を表現。3枚のキャンバスはそれぞれ分かれていながら、パズルのピースになっており、七宝や工芸的な手法を駆使した独特な作品に仕上がっている。
作品の前に立った時、自分自身が現在と言う結節点である事を自覚し、より明確な未来を描けた時に、現在もそして過去も輝き出すのではないだろうか。
「NX ONE 銀座」にて展示販売されているので、ぜひその目で確かめてほしい。
鎌谷 徹太郎/Tetsutaro Kamatani
1979 大阪生まれ。2007年慶応義塾大学入学。2003年から現代美術家として東京とニューヨークを拠点に活動をしながら香港、台湾、シンガポール、ニューヨークなど世界各地で作品を発表。数々の国際アートフェアや個展で注目を集めている。海外で活動するにあたり、過去にヨーロッパクリスティーズオークションの会長も勤め、応用美術の世界的権威でもあるハプスブルク大公ゲーザ博士とも親交が深く、ニューヨークでの活動支援も受けている。
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