リシャール・ミル=トノー型”なのか?②

2020.07.07

以前、このタイトルと同じ内容を投稿したことがある。
リシャール・ミルのコレクションは、70を超える非常に多くのモデルが存在し、
どうしても”トノー型”のモデルが多くスポットも当たりがちだ。

しかし、どの形のモデルにも、それぞれに違った良さと特徴がある。
今回は、スクエアケースモデルの【RM 016 Atomatic Extra Flat】について紹介してみようと思う。

このモデルの特徴は何と言っても、”薄型のレクタンギュラーケース”という点だろう。

ケースの厚さはわずか8.25mm、このケースの薄さの秘密は、
ローターの回転スペースに合わせてくり貫かれた裏蓋のサファイアクリスタルガラスにある。
この構造のおかげで、ケースは無駄な厚みの発生を最小限に抑制した造りになっているのだ。
極めてフラットなレクタンギュラ―ケースの登場は、
これまでトノー型が主流だったリシャール・ミルの歴史に新たな段階の始まりを告げたが、
リシャール・ミルというブランドのアイデンティティを100%保っている。

ディティールへのこだわりと技術革新への追求は、それまでのモデルと同じであることは明白だ。

ベゼル、ミドルケース、裏蓋の3つの主要構成部品の製造、および組み立てに必要な作業は、
実に202の工程に及ぶ。
緩やかな曲線を描くケースバックは、人間工学に基づいた設計の絶妙なフォルムになっており、
ケースの大きさを感じさせない非常にフィット感のいい実用的な構造とデザインだ。

薄型ケースにもかかわらず、ムーブメントには奥行きが感じられ、リシャール・ミルらしさが非常によく表れている。

また機能面においても、リシャール・ミルが独自開発したローターにより、
フィン部分に設置された6つのポジションで遠心力の強さを調整して、
腕元の運動量に合わせてローターの回転エネルギーを効率よく向上させられる
「可変慣性モーメントローター」を搭載。
使う人のライフスタイルに合わせてムーブメントの精度を正確に保つことが出来る。
見た目のスタイリッシュさだけでなく、実用性も兼ね備えたRM 016。

薄型ゆえにスーツにも、カジュアルにも使えるこのモデルは、
「リシャール・ミル=トノー型」という概念に囚われず、使いやすさを実感できるモデルである。

レクタンギュラーケースのRM 016が、店頭に並んでいた場合には、
是非一度手に取ってその良さを実感してもらいたい。