時計を身につけるうえで正しい知識と扱い方を理解することは、その時計が持つ価値を守り、本来備わる性能を長く維持するために欠かせません。
世界的な高級機械式時計ブランド、リシャール・ミルの正規認定中古時計・正規取扱店であるNX ONE 銀座が、時計を末永くご愛用いただくために知っておきたい「正しい知識」と「扱い方」を詳しくご紹介いたします。
ぜひ、日々のご使用の参考としてご覧下さい。
目次
時計は、何百もの微細な部品が組み合わされることで時を刻む高度な「精密機械」です。そのため、日常のわずかな環境の変化や何気ない所作であっても、精度やコンディションに大きな影響を及ぼすことがあります。
防水性能など、特定のポイントに注意を払うことはもちろん重要ですが、それだけでは時計を最良の状態に保つことはできません。水分や温度、衝撃や磁気といった複数の要素が相互に関わり合いながら、故障や劣化の原因となる場合があります。
時計を扱ううえで押さえておきたい「注意すべきポイント」をご紹介します。
■注意すべきポイント
・水や湿気・温度変化
・衝撃・振動
・磁気
・ベルト
・リューズ操作
・保管方法
・メンテナンス
以下、それぞれの項目について詳しくご紹介していきます。
「防水性能」は、腕時計を使用するうえで非常に重要な性能のひとつであり、国際的な基準に基づいて表記されています。まず、時計に記載されている「気圧(ATM/BAR)」表示を確認しましょう。
例えば「3気圧防水/30m」とは、水深30メートルの水圧に静止状態で耐えられることを示すもので、実際に30メートルまで潜れるという意味ではないため、十分な注意が必要です。
また、香水、整髪料、洗剤などに含まれる化学成分、さらに温泉成分は、ケースやブレスレット等の外装素材を傷める原因となることがあります。
防水性能は、パッキンと呼ばれるゴム製のパーツが使用されています。このパーツは熱や急激な温度変化に弱く、お湯への接触や高温環境、極端な寒暖差によっても、防水パッキンの劣化や、防水機能の低下を引き起こす恐れがあります。
時計内部への浸水を防ぐためには、防水性能を保つことが不可欠です。リューズやプッシュボタンがしっかり閉まっているか、水分が付着したままになっていないかを常に注意しましょう。必ず手や時計の水分を拭き取ってからリューズやプッシュボタンの操作を行なうことが大切です。
なお、防水性能を良好な状態に保つためには年に一度を目安に防水パッキンの点検を行なうことをおすすめします。
| 表示(気圧/m) | 使用可能なシチュエーション |
| 3気圧/3ATM(30m) 日常生活防水 | 洗顔、小雨など軽微な水濡れ、汗 |
| 5気圧/5ATM(50m) 日常生活用強化防水 | 水仕事、汗をかくスポーツ *水圧のかかる行為に注意が必要 |
| 10気圧/10ATM(100m) 日常生活用強化防水 | 水泳、水上での軽い活動やスポーツ(ヨットなど) *水圧のかかる行為に注意が必要 |
| 20気圧/20ATM(200m) 日常生活用強化防水 | スキンダイビング(素潜り)、軽い水深での活動 |
| 20気圧以上/20ATM~(200m~) 飽和潜水用防水 | スキューバダイビング、プロ仕様の潜水活動 |
※非防水の時計は全てに注意が必要です。
時計のムーブメントは、多数の繊細な部品で構成されています。落下やスポーツ時の強い衝撃は、ヒゲゼンマイや軸のズレ等を引き起こし、精度不良や故障の原因となることがあります。多くの機械式腕
時計には耐震装置が搭載されていますが、その性能には限界があり、耐衝撃性能の時計であるか、使用シーンに応じた配慮が欠かせません。
なお、リシャール・ミルのすべての時計は、高い耐衝撃性を前提に設計されており、モデルによっては5000Gもの衝撃に耐えうる耐衝撃性能を備えたモデルもあります。
ここでは、一般的な腕時計の基礎知識として、衝撃や振動から時計守るためのポイントについてご紹介します。
■強い衝撃や振動が加わる場面では腕時計を外す
・激しい衝撃が時計に加わる例:ゴルフやテニス等
・継続的な振動が加わる例:バイクの運転や工作機などの操作等
機械式腕時計は、繊細なパーツによって精密に組み立てられており、日常生活において強い衝撃や継続的な振動が加わるような環境下では、一般的に腕時計を外すことが推奨されています。
■脱着時の取扱にも注意
腕時計の脱着時に起こる落下事故は、瞬間的に非常に大きな衝撃が時計に加わるため、内部機構にダメージを与える恐れがあり、故障の原因となる場合があります。腕時計の脱着の際は、机の上や柔らかい布を敷いた場所などで行なうなど、十分な注意が必要です。
機械式時計の内部は、細かな金属製のパーツが数多く使われています。強い磁気が発生しているものに近づけると、ムーブメント内部の部品、特にヒゲゼンマイという精度を保つための重要なパーツが磁化し、磁気帯びしてしまうことがあります。一度磁気帯をしてしまうと、時間が大幅に進む、狂うなどの精度不良、または内部破損などを引き起こします。
次のような強い磁気を発する製品には、なるべく近づけないよう注意しましょう。
• スマートフォン・タブレット
• パソコン
• スピーカー
• バッグや財布の磁石入り留め具
• IH調理器、電子レンジなどの家電
• マグネット式充電器、ワイヤレスイヤホンケース など
もし時計が磁気の影響を受けた場合は、専門の「磁気抜き」作業が必要となることがあります。
「最近、時計の進み・遅れが気になる」といった症状がある場合は、磁気帯びの可能性があるため、点検をおすすめいたします。
ベルトは、時計の印象を左右するとともに、素材によって耐久性や寿命も異なります。快適な装着感と美しい外観を保つため、素材特性に合わせた注意すべきポイントとケア方法をご紹介します。
■革ベルト
革ベルトは上質な風合いが魅力ですが、水分や湿気に弱く、デリケートな素材です。汗や水分、湿気、紫外線にさらされることで、ひび割れや色落ち、カビ、臭いの原因となる場合があります。
着用後は、汗や水分を乾いた柔らかい布でやさしく拭き取り、風通しの良い場所で陰干しすることが基本です。
■ ラバーベルト(ゴム製)
ラバーベルトは耐水性に優れ、スポーティなシーンでも活躍しますが、紫外線や熱、油分、化学薬品の影響を受けやすい素材です。これらにより、変色や硬化、ベタつき、ひび割れなどが生じることがあります。
中性洗剤を薄めたぬるま湯でやさしく洗い、水分をしっかり拭き取ったうえで完全に乾燥させることが大切です。直射日光を避けて乾燥させしましょう。
■ メタルブレスレット(金属製)
メタルブレスレットは耐久性に優れていますが、汗や皮脂、埃が駒の隙間に蓄積しやすく、放置すると錆びや摩耗、ばね棒の劣化につながる恐れがあります。
着用後は柔らかい布で拭き取りましょう。また、定期的に超音波洗浄を依頼することで、清潔な状態と快適な装着感を保つことができます。
■ NATOベルト(布・ナイロン製)
布やナイロン製のNATOベルトは軽快な装着感が魅力ですが、汚れや汗を吸収しやすく、臭いや色落ち、型崩れの原因となる場合があります。
定期的に取り外し、中性洗剤を使用して手洗いし、形を整えたうえで陰干しすることをおすすめします。
リューズ操作はムーブメントに直接作用するため、過度な負荷をかけないよう、正しい操作方法を理解することが大切です。
※リューズ操作:時計の側面にあるリューズを回したり引いたりすることで、ゼンマイの巻き上げ、時刻調整、日付調整などを行う操作を指します。
■ カレンダー操作の禁止時間に注意
多くの機械式時計では、内部でカレンダーが切り替わる準備が進行する時間帯があります。一般的に午後8時(20時)から午前4時(4時)頃は、カレンダー機構が作動中、もしくは作動準備中の状態です。
この時間帯にカレンダー調整を行うと、日送り車やジャンパーレバーといったカレンダー機構の部品に負荷がかかり、破損や不具合を引き起こす恐れがあります。
正しい操作方法
まず時刻を6時にあわせカレンダーを前日に調整します。その後、時刻合わせをします。その際に日付が変った後、正確な時刻に合わせ直すようにしましょう。
※6時であれば午前、午後関係なくカレンダー操作禁止時間を気にする必要がありません。
※午前、午後の時刻合わせ間違いを防ぐためにも日付は前日に調整してから時刻合わせを行ってください。
■ リューズ操作時の浸水リスクに注意
リューズが完全に戻っていない、または閉まっていない状態で、濡れたまま操作を行うと、時計内部に水分が侵入する原因となります。
正しい操作方法
リューズが確実に戻っている、または閉まって[茂竹3.1]いるかを確認しましょう。押し込み式の場合は「カチッ」と収まるまで押し込み、ネジ込み式の場合は無理のない範囲でしっかりと締めることが大切です。濡れた状態での操作は避け、必ず水分を拭き取ってから行いましょう。
■ ゼンマイの巻き上げ過多を避ける
手巻き機能を備えた時計では、必要以上にゼンマイを巻き上げることで、ゼンマイや巻き上げ機構に負担がかかる場合があります。
正しい操作方法
リューズを回していて抵抗を感じる「巻き止まり」の感覚があれば、それ以上は巻き上げず、操作を止めましょう。
適切な環境で正しく保管することは、精度や外装の美しさを保ち、将来的なトラブルを防ぐうえで欠かせません。日常的に意識したい保管ポイントをご紹介します。
■ 高温多湿・直射日光を避ける
時計は精密機械であり、過度な湿気や高温環境は内部機構や外装素材に悪影響を及ぼします。湿気はムーブメント内部の腐食やカビの原因となり、直射日光や高温は潤滑油の劣化や文字盤・ベルトの変色を招く恐れがあります。保管場所は、風通しが良く、温度・湿度が安定した場所を選びましょう。特に梅雨時期や夏場は注意が必要です。
■ 磁気の影響を受けない場所で保管する
スマートフォン、スピーカー、パソコン、IH調理器など、強い磁気を発する機器の近くでの保管を避けましょう。電子機器から十分に距離を取り、磁気の少ない環境で保管することが重要です。また個別に仕切られた時計ケースや、柔らかい布で包んで保管しましょう。
■長期間使用しい時も、定期的に動かす
長期間使用しない場合、時計をそのまま放置した状態にすることはおすすめできません。機械式時計は定期的にゼンマイを巻き上げることで、ムーブメントの内部に潤滑油が行き渡り、良好なコンディションを保つことができます。定期的に動かすことが重要です。
■ 付属品と一緒に保管する
保証書や取扱説明書、余りコマなどの付属品は、将来的なメンテナンスや売却時に重要な要素となります。時計本体とあわせて、紛失しないようまとめて保管しておきましょう。
大切にご使用いただいていても、機械式時計の内部に用いられる潤滑油は経年とともに劣化し、部品も少しずつ摩耗していきます。そのため、時計の性能と寿命を維持するために不可欠なオーバーホール(分解掃除)は、一般的に3〜5年ごとの定期的な実施が推奨されています。
オーバーホールでは、ムーブメントの分解清掃、摩耗した部品の交換や注油、防水パッキン交換、防水テストなどを熟練した技術者が丁寧に行い、時計を本来の美しさと適切な状態へと整えます。
高品質な時計を最良の状態で長く楽しんでいただくためにも、定期的なオーバーホールをぜひご検討ください。
機械式時計は、「水・衝撃・磁気・温度」には特に注意を払い、日々の適切なケアと、定期的なオーバーホールを行うことで、その輝きと精度を長く保ち続けることができます。
機械式時計の正しい扱い方を知り、機構の特性を理解することで、時計は単なる“時を刻む道具”から“人生に寄り添うパートナー”となります。機械式時計ならではの価値を末永く最良の状態でお楽しみください。
また、日本で唯一のリシャール・ミルの正規認定中古取扱店のNX ONEでは、さまざまなモデルを取り扱っており、すべての商品にリシャール・ミル発行の「正規認定中古保証書」が付属します。リシャール・ミルの正規サービスを受けられることも安心です。さらに、購入後2年間の保証が付帯し、長く安心して愛用できます。 もし購入を検討しているモデルがある場合は、専門スタッフが丁寧に対応します。まずは、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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